骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」の撮影

骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」の撮影

学校法人滋慶学園の大阪スクールオブミュージック専門学校と大阪ダンス&アクターズ専門学校の主催によるミュージカル「明日への扉」の撮影でした。
大阪での初演(1994年)から毎年行われ、今年で170回以上の公演になります。
3週間前に公演関係者にコロナウイルスの陽性者が確認されたことで公演中止。
結果、ザ・シンフォニーホールとイエスシアターを貸し切り、観客を入れずに映像作品を作ることになりました。

撮影は11日はゲネプロ、12日は本番の2日間。
イエスシアターは、年末に撮影した舞台「邪神ちゃんドロップキック」で経験していることもあり、ポジション取りなど予測ができました。
映像のカメラが10台ほどまわる中での撮影で、スチールはミラーレスカメラで無音撮影。
今回、スチールのカメラマンが僕1人。固定で撮影できないため、フットワークが重要です。
集合写真やキャストが全員舞台に上がっている時は客席中段のセンターから、それ以外は少し前列の両サイドで撮影。

舞台の撮影は、僕はまだ駆け出しの頃、ダンスや演劇の撮影を多く経験していました。
その時、重要と教わったのは、撮影技術以外に、ポジション取り、全身黒の衣服着用、バッテリーは大量に持ち込み、小型の懐中電灯、そして靴選びでした。
舞台は「しゃがむ」という動作が多くなるため、ナイキフリーというスニーカーを履きます。
この製品はソールがよく曲がり、裸足の感覚に近い履き心地で、しゃがむという動作に適しています。

作品は、慢性骨髄性白血病がテーマで、ミュージカルスターを目指す若者たちの葛藤を描いているのですが、キャストの学生たちの情熱がカメラ越しに伝わってきて、いつもより多くシャッター切りました。
撮影は2日間でしたが、RAW現像は丸1日かけて行い、舞台の本番で見えなかった細部が写真に浮かび上がってきて、登場人物の心の情景や裏側にある物語などが見えて、個人的にも印象に残る撮影になりました。