スマホの登場がカメラマンの仕事を変えた
僕がプロカメラマンになって、初期の頃の仕事は印刷媒体が中心でした。
カメラマンの仕事は、書籍や雑誌で、営業先は、新聞社や出版社の編集部です。
パソコンが普及し始め、カメラがフィルムからデジタルに移り変わり、 AdobeのPhotoshopが登場。
暗室作業からPCでのデジタル作業に代わり、写真の可能性が無限に広がっていくのを感じました。
そして劇的に環境を変えたのが、スマートフォンの登場です。
手のひらのサイズでありながら、インターネットを利用して様々なサービスを受けることができ、高性能なカメラを備え、SNSと連携して、情報を発信&共有することができる、まさに夢の道具。
この道具の凄いところは、ガジェットに強い一部のユーザーだけでなく、小さな子供から高齢者まで、幅広い年齢層が所有していることです。
ホームページ(ウェブサイト)の力
写真は情報を伝える役目があります。それは昔も今も変わっていません。
従来の印刷媒体と、WEB媒体の違いは、情報のスピードと手軽さです。
ポケットに入るスマートさ、スマホを活用することで、リアルタイムに情報が手に入ります。
定額の通信料を支払えば、ほぼ無料(一部有料)という手軽さもあります。
そして印刷が主流であった新聞社や出版社も、WEBで情報を 提供しています。
WEBは、大手企業だけでなく、小さな企業や、個人事業主にチャンスを与えました。
それがホームページ(ウェブサイト)です。
現在、一ヶ月に15〜20社のウェブサイトの撮影を行っています。
これまで撮影したサイトは、 企業、政治、福祉、教育、医療、美容、飲食、不動産、物流、観光、ライフライン、あらゆる業種を網羅しています。
大手企業は、広告の予算があるため、テレビや動画、印刷、そしてウェブサイトと、様々なメディアで勝負ができます。
それに対して中小企業や個人事業は、ウェブサイトを制作することで、限られた予算内で、最大限の効果が発揮できます。
特に注目していただきたいのは、創業100年以上の歴史を持つ老舗企業や優れた職人たちが、ウェブサイトを作って、世界に発信していることです。
歴史のある老舗企業は、一定の顧客や、その価値をわかっている人にだけサービスを提供する傾向にありました。
世代が変わっていく中で、時代の流れに適応し、自分たちの商品や技術を、よりいろんな人たちに伝えたい、ウェブサイトの普及には、そのような背景があります。
ウェブサイトは、ビジュアルを前面に押し出すことで、国内だけでなく、海外にまで顧客を広げていく可能性があります。
そして、ウェブサイトで、もっとも大切な役割を担っているのが、『写真』です。
ホームページ(ウェブサイト)撮影の流れ
ウェブサイトの撮影は、1件、基本は2〜3時間です。
会社の規模や天候の状況によって、終日、または数日になる場合もあります。
事前にタイムスケジュールを作り、それに沿って撮影が進んでいきます。
撮影内容は、業種にもよりますが、
外観、内観、スタッフのポートレート、グループ写真、集合写真、仕事風景、商品や料理などの商品撮影、イメージカットなどです。
撮影する対象者は、プロのモデルではなく、一般の方がほとんどです。
カメラの前で笑ったり、ポーズを作るといった経験がないため、会社の社風や現場の空気を読みながら、和やかな雰囲気作りが大切となります。
撮影で心がけていることは、カメラマンはサービス業だと意識することです。
カメラマンはクリエイティブな仕事でありますが、現場ではそれをあまり前面に出しすぎると、お客様との間に壁ができてしまいます。
撮影中は、フットワークの軽い、気さくなカメラマンという印象が大切です。
ウェブサイトは、それぞれの人生そのもの
世の中には、いろんな仕事があり、いろんな人がいます。
撮影を通じて、その仕事の魅力や、人の想いと向き合います。
カメラマンの仕事は、その想いをたくさんの人たちに伝えることです。
ウェブサイトは広告の分野になりますが、伝えるという意味では、広告も報道も同じです。
ホームページ(ウェブサイト)
それは、それぞれの職業に情熱を傾けた、人の人生そのものです。