今回はプロカメラマンの年齢制限についてのお話です。
定年がないと言われているこの業界。実際には厳しい現実があります。
カメラマンは50歳までが鍵
今は手軽に写真を撮影することができ、誰でもプロカメラマンとして活躍できるチャンスはあります。
世はまさにカメラマン戦国時代。
舞台裏では激しい競争が繰り広げられています。
僕がプロを目指してアシスタントをしていた頃、カメラマンは一般職と違って定年がないと考えていました。
ところが実際には年齢制限という壁があります。
たとえば僕が契約している写真の大手プロダクションA社には、応募資格50歳までと明確に表示しています。
A社だけではなく、B社やC社にも同じような年齢制限の記入がありました。
担当者にお聞きすると、このような回答をいただきました。
年齢が50歳以上のカメラマンの中には、フィルム時代の経験が長く、デジタル化への対応ができていないケースがあることです。
パソコンや画像処理の知識、新しいデジタルカメラを含むデジタル機器への好奇心の薄れなどが挙げられました。
年配のカメラマンの中には、メールの使い方がわからず、連絡のやり取りをFAXで希望する方もいるようで、制作担当側としては対応が難しくなります。
逆に50歳以上でも、最新のデジタル機器に精通し、新しいものをどんどん取り入れようとするカメラマンは全く問題ありません。
そこに経験が加われば大きな武器になります。
ただ最新のデジタル機器の導入には大きなコストが必要で、カメラマンとしてそれなりの収入を得ている、もしくは副業で利益がある必要があります。
さらに60歳以上になると、体力的な問題もあります。
それまでにカメラマンとして成功していれば自分のペースで仕事は継続できますし、実績があれば、写真の講師や講演会、マスメディアへの出演、写真に関する執筆活動、写真コンテストの審査員などの道があります。
結論としてまとめると、
50歳までに仕事で実績を残し、写真への情熱と好奇心を持ち続け、健康を維持しておくこと。
今回は商業カメラマンについてのお話です。
芸術としての写真家は例外です。芸術分野には何の縛りもありません。
年齢を重ねることで、得ること、失うこと、強み、弱み、それを認識することが大切です。