舞鶴から21時間かけて、夜の20時45分に小樽到着。
荷物を積み直し、フェリーから船外へ出ると、風が冷たく、北海道の涼しさを上陸してすぐに実感することができました。
他のライダーたちも、それぞれの想いを胸に北へ南へと散らばっていきます。
僕は小樽から海沿いを反時計回りに走る予定だったので、とりあえず西へ。
走り出してすぐに小樽運河に到着。
散策路には63基のガス灯が設置され、日が沈んだ時間帯には石造倉庫群がライトアップされて異国情緒の雰囲気が漂っています。
旅のオープニングには抜群のロケーションです。
小樽運河で涼んだ後、今夜の寝床探しです。
宿泊はホテルではなく、初日から野営と決めていたので、テントを張る場所を探すことになりました。
小樽から西、積丹岬に向けて走る途中に、美国漁港海岸キャンプ場がありましたが、ここはすでに自動車で旅するオートキャンパーでいっぱいでした。
その先にある道営野塚野営場も同じく満員状態です。
バイクでのツーリングキャンプと、自動車でのオートキャンプは、
同じキャンプでも、スタイルや目的が違います。
- バイクでのツーリングキャンプは、バイクに積めるだけの軽量な装備で、一人で孤独の時間を過ごすことにあります。
- 自動車でのオートキャンプは、自動車にたくさんのキャンプ道具を積み込み、家族や友人たちと時間を共有することにあります。
自動車でのオートキャンプでもソロで旅をしている方もいますが、より孤独を追求すると、自動車より、自由度の高いバイクや自転車での旅になると思います。
家族のいない僕にとっては、必然的にバイクや自転車での旅になります。
積丹岬まで来ると、一気に気温が下がってきました。
バッグからモンベルULサーマラップパーカを取り出しました。
このパーカは軽量でストレッチの効いた化繊の防寒着で、ダウンと違い、洗濯が容易なので、ツーリングキャンプには適していて、いつもバッグに忍ばせています。
積丹岬でテントを張ろうと思いましたが、バイクで岬まで行くことができなかったため、別の場所を求めて再び走り出しました。
神威岬は門があり、閉まっていました。
プロトレックの腕時計を見ると23時。
時間的に焦りはじめた時、神威岬から5キロほど南下したところに、ここだ!! というベストなポイントを見つけました。
そこは名もない海沿いのパーキングエリアでした。
駐車場がとても広く、そして自動車も人も誰もいません。
綺麗な公衆トイレがあり、眼下には海が広がっています。
ソロのツーリングキャンパーにとって、テントを張る理想的な場所は、
- 周囲に誰もいないこと(一人の時間が楽しめます)
- 景色がいい(さわやかな朝を迎えられます)
- 公衆トイレがある(水場があるとトイレだけでなく、歯磨きや飲料水(のちに煮沸))
この3つが条件だと思っています。
バイクから荷物を降ろし、まずはテントの設置です。
道路からもっとも離れた駐車場の奥側に海があり、その側で張ることにしました。
テントはモンベルのステラリッジテント2型です。
1型の方が軽量ですが、カメライダーにとって、カメラなどの機材もあり、テント内に荷物をすべて入れると、1型よりも2型の方が快適に過ごせます。
重さの違いは150gほど。
150gは僕の愛用しているiPhone8と同じ重さです。
それなら断然2型がおすすめだと思います。
周囲には全く明かりがないので、真っ暗闇です。
モンベルのコンパクトヘッドライトを首からぶら下げ、その明かりで素早くテントを設置します。
テントを張って、荷物を中へ放り込み、一息ついたところで、イワタニプリムスのバーナーで湯を沸かしました。
エバニューのチタンのコップに、薄めのインスタントコーヒーを入れて湯を注ぎ、ゆっくりと口に入れると、一気に力が抜けていきました。
旅の初日、無事にテントを張ることができ、こうして都会から離れて、静かな夜を一人で過ごす。
求めていた、孤独の時間です。